研究室紹介
Vol.2
腎臓学講座(大森病院)
教授 酒井 謙
蛋白尿から腎移植まで、小児から高齢者まで。
日本唯一の環境で腎臓病の生涯医療を提供する。
大森病院腎センターには、蛋白尿の診断から腎疾患の治療、血液・腹膜透析、腎移植までを「内科」「外科」「小児科」合同のスタッフが担当する、日本で唯一の環境があります。腎臓学講座は、この貴重な学びの場を使って、最先端の検査や治療について研究できるのが特長です。
現在日本では、慢性腎臓病を患っている人が1,300万人に及び、人工透析を受けている人は32万人を超えます。大森病院腎センターでは、年間約100人が透析を導入し、約50人が腎移植を受けています。特に小児腎移植の年間症例数は日本一です。こうした実績を背景に、幅広い研究が進められています。
内科系の研究テーマは、腎不全の食事療法栄養管理、腎移植病理における再発腎炎や薬剤性血管毒性の検討など。外科系では、乳幼児の末期腎不全に対する腎移植、拒絶反応抑制のための臨床プロトコール及び実験モデル研究をはじめとするさまざまな腎移植の臨床研究が進められています。
慢性腎臓病は、一生付き合っていかなければならない病です。治療する側も患者さんの一生を背負う形で臨む必要があります。「内科」「外科」「小児科」がOne Team になった特別な環境で、生涯医療の未来形を一緒に考えてほしいと思います。

酒井 謙 教授
東邦大学医学部卒業。大学勤務を中心に30年以上に渡り、診療・研究・教育に従事。2011年から現職に就き、腎臓病の生涯医療サービスを実践している。専門は、包括的腎不全医療(慢性腎臓病、食事療法、透析療法、移植腎内科)。
[研究内容]
内科系
- 腎不全の食事療法栄養管理
- 腹膜透析療法における腹膜機能温存
- 二次性副甲状腺機能亢進症の臨床研究
外科系
- 乳幼児の末期腎不全に対して同種腎移植術
- ABO式血液型不適合腎移植および抗ドナー抗体(DSA)陽性の脱感作療法および腎移植の臨床研究
小児
- 難治性ネフローゼの臨床研究
- 小児腎不全の成長を中心に研究