薬学部 薬学科

中高齢期における健康と食の関係を食事制限の実験で科学的に紐解く。 そこに薬のヒントが。

髙橋 良哉 教授 / 土屋 勇一 准教授

  • 老化,食事
中高齢期における健康と食の関係を食事制限の実験で科学的に紐解く。
そこに薬のヒントが。
私たちの教室では「老化」をタンパク質の異常化の観点から研究しています。タンパク質は、酵素、調節因子、細胞骨格などとして細胞の機能や構造を支えています。さらに、タンパク質はDNAの傷害を修復し、遺伝子の変異を防いでいます。もし、このようなタンパク質に何らかの異常が生じれば細胞機能は低下し、さまざまな病気を引き起こす原因になり得ます。 私たちの研究から、異常タンパク質は死亡率が高まる中齢から高齢にかけて脳や肝臓などに急激に増加することが明らかになりました。また、寿命延長効果のある食事制限を中高齢のマウスやラットに施すと異常タンパク質の分解と修復が高まり、異常タンパク質が短期間で若いレベルまで低下することがわかりました。食事制限には異常タンパク質の除去修復機構を活性化する作用があるようです。 異常タンパク質の除去修復機構を活性化する化合物は、加齢に伴い傷ついた細胞を分子レベルで若返らせる薬となる可能性があります。「老化と食」の研究を通し、健康にかかわるメカニズムを探究し、中高齢期の健康について一緒に科学的に考えてみませんか?

髙橋 良哉 教授

東邦大学薬学部助手、講師、助教授を経て2007年より東邦大学薬学部教授。テキサス大学医学部博士研究員、国立長寿医療センター客員研究員、東京都老人総合研究所協力研究員、日本薬学会代議員、日本生化学会代議員、日本基礎老化学会理事、同学会学術交流委員、老化促進モデルマウス(SAM)学会幹事、日本微量元素学会評議員などを歴任し、現在もそれらのいくつかの役員を務める。専門は、生化学、基礎老化学。

[研究内容]

  • 加齢に伴う生体高分子(DNA、タンパク質、脂質)の異常化
  • 中高齢期からの食事制限の有益作用とリスク
  • 化速度に関わる要因
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