理学部 生物学科

昆虫の形態や体色が多様化するメカニズムを解き明かす。

小沼 順二 准教授

  • 昆虫,遺伝子,ゲノム
昆虫の形態や体色が多様化するメカニズムを解き明かす。
近縁な生物種の形や大きさは、利用する餌や生息環境によって大きく異なります。イギリスの生物学者ダーウィンが説明したように、「自然選択」というメカニズムによって、生物は多様化すると考えられていますが、生物の形や大きさに関わる遺伝子の存在も重要です。 そのような生物の多様性を研究するために、私は昆虫の生態や進化、行動を研究しています。例えば、オサムシの1種、マイマイカブリには、形が細長いマイマイカブリと太短いマイマイカブリが日本列島に生息しています。これまでの研究から、これらの形の多様性は、餌であるカタツムリへの適応によって生じたことを証明することができました。 昆虫の体色も多様でとても面白いです。ナナフシのように木の枝にカムフラージュする昆虫がいる一方で、スズメバチのように目立つ体色で外敵に警告する昆虫もいます。このような現象は「擬態」とよばれ、その進化のメカニズムは謎に包まれています。 このような形態や体色が多様化するメカニズムを解明するために、フィールドワークや行動実験、遺伝子やゲノムの解析に基づいた研究を進めています。

小沼 順二 准教授

東北大学大学院生命科学研究科博士後期課程修了後、京都大学大学院理学研究科日本学術振興会特別研究員、英国マンチェスター大学優秀若手研究者派遣事業博士研究員、東邦大学理学部生物学科講師を経て、2021年より現職。研究テーマは「貝食性オサムシの適応進化」など。

[研究内容]

  • マイマイカブリの巨頭型と狹頭型
  • 適応放散の遺伝・発生基盤
  • 昆虫のゲノム・トランスクリプトーム研究
  • 繁殖干渉がもたらす生態的形質置換
理学部 生物学科
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