林 ひろみ 教授
ファミリーヘルス看護領域
臨床の現場と大学をつなぎ、 共同研究の成果を医療界に還元する。
私自身の出産・育児を通して夫が父親になる過程に興味を持ち、その自覚と役割意識がどのように養われるのかを修士論文で研究したのがファミリーヘルス看護領域を専門にするきっかけです。夫婦インタビューを行った結果、妻との関係性や家事や育児の負担感の大小が関与することがわかりました。現在はそこから発展し、妊娠中の夫婦への支援について研究しています。成果のひとつとして、夫婦がチームで子育てを行うには何が必要か、コミュニケーションの取り方や産後うつの理解も含めてリーフレットにまとめて情報提供しました。最近では特にSOSが出しにくいと思われる高齢初産の夫婦に着目し、ヒアリングを実施して効果的な介入方法を探っています。 そのほか、母体・胎児の集中治療に関する看護のあり方も大きなテーマです。例えば緊急入院が長引くと家庭の事情から退院を焦る妊婦が見受けられますが、そんなとき看護師はどう対処すればよいか。患者の背景も踏まえた研修プログラムの構築を進めています。思春期から妊娠・出産、更年期と、女性の一生のどの部分を切り取っても家族との関わりは重要です。家族を視点に学生の皆さんも興味に応じた研究ができると思います。
林 ひろみ 教授
千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程修了。博士(看護学)。千葉大学看護学部卒業後、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の助産師を経て看護系短期大学の教員を歴任。千葉大学看護学部の助手から同大大学院に進み、博士取得後は千葉県立保健医療大学健康科学部の准教授を経て2016年より現職。
[研究内容]
- 初めての児の誕生に伴う父親役割行動の調整過程に関する研究
- 高齢初産夫婦への産後うつ予防のための妊娠期の介入効果検証に関する研究
- 母体・胎児集中治療室(MFICU)の看護職に向けた研修プログラムのニーズに関する研究